ご挨拶
Greetings
NPO法人病院前救護と健康管理研究会理事長の伊藤重彦です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
この研究会では、地域の皆様の日々の健康管理に関する活動とともに、以下のような調査研究活動をしています。
1.「地域包括ケア社会における緊急走行しない、緩やかな救急搬送システム」に係る研究活動
救急需要が増加する中、消防救急車の適時、適切な利用(適正利用)を推進する手段として、低緊急又は病状が安定している患者(傷病者)を対象に、消防救急車に代わる新しい搬送手段(病院救急車、民間救急車)の確保及び地域活用に努めてきました。とくに、介護施設入所中、在宅療養中高齢者の急病時に、緊急度が低い又は病状が安定している患者を対象に、病院救命士が搭乗する病院救急車、民間救命士が搭乗する民間救急車を活用した迎え搬送、転院搬送システムの全国普及を目指しています。病気が重症化して緊急搬送が必要となるまえに、症状が軽い時期に余裕を持って医療機関へ受診できる搬送手段を提供することで、早期の受療行動に繋げたいと考えています。
2.「地域感染予防と健康管理」に係る研究活動
2019年コロナ禍に組織された「地域感染予防と健康管理懇話会」では、感染対策に関する様々な地域活動や感染制御機器の開発など産学管で取り組んで来ました。
また、ストップコロナプロジェクトFUKUOKAでは、地域医師会、地元企業、報道機関、保健福祉関係行政のご支援とご協力を得て、小児から高齢者まで、家族三代で楽しく学べる感染対策に関する数多くのAI動画を制作しています。また、北九州市教育委員会と北九州市消防局のご協力により、「小中学校における熱中症の予防と対策キャンペーン」にも取り組んでいます。
3.「医療介護の連携強化と施設、在宅におけるACPの取組促進」に係る研究
高齢者が住み慣れた地域で、本人の意思、希望に沿った安らかな生活を維持するために、元気な時期、人生の最終段階の時期それぞれにおいて、どのような医療・介護ケアが必要なのか、本人、ご家族、医療介護関係者の間で話し合っていく機会が必要です。
アドバンスケアプランニング(ACP)とは、高齢者本人の人生観、価値観を尊重する取組を行うプロセスを指します。また、COVID-19流行中には、「DNAR」への誤った理解から、施設入所中の高齢急病者において救急搬送困難事案が急増しました。私達は、高齢化の進展等による救急需要増加に対する取組として、救急領域におけるDNARが正しく理解されるための活動、介護領域におけるACTの取組促進と看取り体制の充実強化を目指した活動を行っていきます。
この研究会は、超高齢社会と100年ライフを見据えた、高齢者に優しい地域包括ケア社会に資する活動を目指します。

NPO法人病院前救護と健康管理研究会
理事長 伊藤 重彦